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「化学メーカーは安定していると聞いたけど、本当?」
「化学メーカーの営業はきつい?ネットで検索をすると色々な情報がでてきて何が本当かわからない・・・」
化学メーカーへの転職を考えている方は、上記のような疑問を持つのではないでしょうか?
筆者は、化学メーカーで5年半営業をしていました。その経験を元に解説したいと思います。
結論、川中・川下の化学メーカーはきついです。転職するのであれば川上のメーカーがおすすめです。川上の化学メーカーであれば、安定したホワイト企業が多いでしょう。
ただし狭き門なので、転職するのであれば、完成品メーカー(エンドユーザー)か、製造業ではない成長業界をおすすめします。推薦する転職先についても解説していきます。
化学メーカーの定義
化学品は原料から最終製品までの工程が長いため、一口に「化学メーカー」といってもその事業内容はさまざまです。
ざっくりと工程ごとに区分される場合が多く、原料から製品までの流れを川に例えて、「川上」「川中」「川下」と表現されます。川上から川下まで1社で賄うメーカー(=総合化学メーカー)もあります。
- 川上…例)基礎化学製品
- 川中…例)塗料原料、樹脂ペレット
- 川下…例)塗料、合成樹脂加工品
※川中・川下の区分は曖昧です。
例に出した製品以外にも、合成繊維や高機能フィルム、香料なども化学品なので非常に広い業界です。
筆者は川下のプラスチック系のメーカーで5年半、営業として勤務していました。
ただ正直きつかったので、IT企業の営業へ転職を果たし、現在は快適な生活を送っています。
化学メーカーの営業がきついと言われる理由4選+補足
なにがきつかったのか、具体的に解説していきます。
担当社数が多い
化学メーカーは基本的に「原料」や「素材」を販売するため、販売先の業界が多岐に渡ります。そのため顧客数が多くなります。
また、製造業(メーカー)にありがちですが、人員のリソースは技術分野に多く割かれるため、営業職は少数の部隊になります。この少ない人数で多くの顧客をカバーするので、必然的に担当社数が多くなり、激務になります。
昼間は担当顧客から代わるがわる問い合わせが入り、電話を中心に対応しつつ顧客訪問を行うスタイル。必然的に事務作業は帰社した夕方からとなり、残業が当たり前化していきます。
筆者の場合は、月に30〜40時間の残業をしていました。ブラック企業ほどではないですが、もっと残業が少ない企業はあるよな〜と思っていました。
新規開拓がむずかしく、つまらない
化学製品はなくてはならないものも多いですが、脱プラスチックの時代の流れで排除されていくものも多いです。
よほど高機能な製品でないと、新しい用途は生まれにくく、成長していく業界ではありません。高機能な製品の開発にはお金がかかるので、大企業でないと難しいです。
昔からある、なくてはならない用途では安定的に売上がありますが、新規開拓はむずかしい業界と言えるでしょう。
特に川下の製品は非常に狭い業界です。業界内で競合と価格の叩き合い、パイの取り合い状態となっており、営業していてもつまらないと感じると思います。
車での出張が多い
製造業(メーカー)では、現場を知らないと商品を売れません。顧客を製造現場にアテンドする業務もしばしばあります。また、営業先も顧客の工場が多いです。
そのため、工場への出張が頻繁になります。工場の多くはド田舎にあり、非常にアクセスが悪いため、長距離ドライブが常態化していきます。
筆者のような運転が苦になる人間は、工場に着いた頃にはいつもヘトヘトです。
昔ながらのおじさん営業マンは、なぜか公共交通機関での乗り換えが面倒らしく、どこでも社有車で行きたがります。
結果、長距離ドライブが社内的にデフォルトとなり、交通費が高くなる新幹線+タクシーは使いにくい雰囲気が出来上がります。
大阪ー四国(片道4時間)を日帰りかつ社有車で行けと言われた時は、唖然としました。(さすがに後から新幹線+レンタカーの許可がおりました)
業界が古い、おじさん社会
大正・昭和生まれのおじいちゃん・おじさんが牽引してきた業界のため、古い考え方が染み付いています。そして、社内も社外も見渡す限りおじさんです。
もちろん古い体質から脱却している企業もあると思いますが、筆者の前職はとにかくデジタル化の波に遅れまくっていました。
長らく社用携帯がガラケーでしたが、2021年頃にやっとスマホになったレベルです。ガラケーからスマホへの移行手続きも、社内のおじさん達の手続きを代行して回りました。(マニュアルは送られてきていますが、おじさん達はできません)
資料は基本紙です。FAXも普通に使われています。この令和の時代になにやってるんだろうという気持ちになり、やる気が削がれます。
また若手は基本、取引先からもナメられるので、営業していて苦しいと思います。
補足:女性が少ない
最近街では女性の営業の方をよく見かけますが、化学業界ではかなり少数です。
前職では営業全体の10%ほどしか女性はいませんでした。しかもアラサーになってくると、私のように退職するか、営業以外の部署に異動する方がほとんどなので、比率があがることはありませんでした。
男社会だとさっぱりしていていいのですが、社内で色々共感できる同性がいないと少し寂しいです。
営業先に行っても少ないので、女性の場合はどこに行っても紅一点。誰にでも一発で覚えてもらえるところはメリットかもしれません。
ただその分、不快な思いもたくさんしたので、強い精神力が必要です。数々のハラスメントはまた別の機会にお話しできればと思います。
おすすめの転職先
以上を踏まえて、化学メーカーの営業はあまりおすすめしません。
実際に化学メーカーから転職をした筆者が、おすすめの転職先を紹介していきます。
筆者の転職経験をまとめた記事もあるので、よろしければ読んでみてください。
化学業界であれば川上のメーカー
それでも化学メーカーがいい!とこだわりの強いあなたには、川上の化学メーカーをおすすめします。
昔ながらの用途で継続的に使われるので、売上が安定しています。また、業界内で最も強い立場のため、営業で苦しい思いも比較的しなくてすむと思います。
ただし会社数も多くなく、営業の人数も非常に少ないと思われるため、狭き門であることは覚悟してください。
製造業で絞るなら、最終製品メーカー
製造業(メーカー)がいいけど、化学業界にはこだわらないという方には、エンドユーザーをおすすめします。製造業でエンドユーザーは圧倒的に立場が強いので、精神的にも待遇的にも安定すると思います。
最終製品の系統はこだわらなくてもいいと思いますが、法人営業が望ましいのでBtoB企業がいいでしょう。
私自身は営業職で別業界(IT企業)に転職しているので、現職と系統の違う製品メーカーへの転職自体は可能だと思います。
ただ、現職の強みを活かせる系統であれば転職しやすいことは言うまでもありません。前職と同系統の製品か、顧客として訪問していた系統の製品であれば、前提知識がある分有利に働くと思います。
IT業界
効率的に仕事をするという風土があるので残業も少なく、若い人も多い環境です。(営業に限る)
業績が右肩上がりで成長している企業が多く、お給料も上がりやすいのが嬉しいポイント。
もちろん別業界から転職すると、最初はわからないことだらけですが、営業職であればそれほど心配することはないと個人的には思います。むしろ化学業界にいた時の方が、技術的なことを勉強していたかも…と思ったりします。
私の経験からIT業界をあげましたが、成長している業界は従業員を大切にしてくれるイメージがあるので、「成長業界」というキーワードで選択するのもいいと思います。
転職するなら転職エージェントの活用がおすすめ
筆者は、転職エージェントを活用して、化学メーカーからIT企業へ営業職で転職をしました。
未経験業界にも関わらず、年収が下がらずに転職できたのは、エージェントを活用したからだと思います。
また、化学メーカーで働いていた時には夢にまでみたホワイト企業への転職も実現できました。
転職エージェントを使うメリットを書いた記事があるので、よろしければ読んでみてください。
実際に使った転職エージェントについても書いています。
まとめ
今回は「化学メーカーの営業はきつい?」という疑問への回答を経験者として解説しました。
結論、川中・川下の化学メーカーの営業はきついので、転職先として考えている場合は再検討をおすすめします。
きつい理由は大きく4点です。
- 担当社数が多い
- 新規開拓がむずかしく、つまらない
- 車での出張が多い
- 業界が古い、おじさん社会
また、おすすめの転職先も紹介しました。
- 化学業界であれば川上のメーカー
- 製造業で絞るなら、最終製品メーカー
- IT業界(成長業界)
転職活動をする際は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職を検討されている方の参考になれば幸いです。
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